事例発表
株式会社澤村 ブランド推進室 課長 河本尚子/住環境グループ デザイナー・建築士 河田竜二
ファシリテーター
株式会社サンプロ イノベーションラボ 本部長・株式会社LOCAS 取締役 コマツアキラ
[はじめに]
今回は、SAWAMURA(株式会社澤村)様の取り組みを紹介しながら、2050年の住宅のスタンダードについて考えていきたいと思います。
SAWAMURAは滋賀県高島市にある会社です。地方の企業としてリクルーティングに悩まれた時期もありましたが、企業ブランディングやプロダクトの品質向上などを一つひとつ着実に進め、今では新卒からキャリア入社まで人気の就職先へと成長しました。地方だからこそ人が集まっている側面もあり、地域創生という観点で前向きな未来を見せてくれている企業です。本日はブランド推進室課長である河本さん、エース営業の河田さんにお話をお聞きしながら、SAWAMURAという会社を紐解いていきます。
[SAWAMURAの企業紹介]
滋賀県高島市にある本社は、とてもオシャレで洗練されたオフィスです。社員数183名(2024年4月時点)、売上高61億円(2023年9月末時点)で、商圏での認知は非常に高く、新卒のエントリーも500名ほどいらっしゃいます。京都まで1時間程度のちょうど良い通勤圏。地方で自己実現したい若者たちにとって、最適な場所だといえるでしょう。
https://www.sawamura-shiga.co.jp
[ブランディング・地域創生の取り組み]
前半部分では、ブランド推進室の河本さんより、ブランディングや地方創生の取り組みについて紹介していただきました。
ブランドミッション「きっかけを創造する」
SAWAMURAでは2018年にリブランディングプロジェクトを立ち上げ、2019年に再構築したブランドを発表されました。ミッションは「きっかけを創造する」 「滋賀県といえば、建設業のSAWAMURAがあるね」という会社を目指されています。
MISSION
(河本さん)リブランディングを実施したことで、地方でも求職者が集まる企業にはなれてきていると感じています。しかし、自社だけではなく、そういった企業を高島・湖西の中心から滋賀県全体、地域全体へと波及させたい。生活者の方が自己実現できる社会を牽引できるような企業にしたいと思っています。
新築住宅だけでなく幅広い分野の建築事業を構築
住宅会社として個人向け新築リフォームや不動産事業を手掛けているSAWAMURA。それだけでなく、法人向けオフィス・工場・公共施設など幅広い分野の建築事業を構築されています。
(河本さん)最近は、理美容室やフレンチレストラン等の飲食関係をはじめとした、店舗併用住宅のオーダーも増えています。リフォームも好調で、特に地域的に古民家も多いこともあり、事業的には「リノベーション」が伸びてきていると感じています。売上は年によってばらつきがございますが、目標としては住宅・非住宅で半々のバランスを目指しています。
(コマツ)エクステリアやグリーンショップなどを手掛けているところも、かなり特徴的ですよね。旧本社の横にはグリーンショップ「HAARU Green Planning(以降、HAARU)」を運営されおり、建設の枠を超えた事業も展開されています。
SAWAMURA 3つの成功事例
SAWAMURAの成功事例として、次の3つを挙げていただきました。
成功事例1.デザイン事務所とは違うトータルプロデュース
(河本さん)昔は間取りや設計図面を描いて、見積もりを出すという形が中心でしたが、近年ではただ店舗をお洒落にするのではなく、お客様にとって「どういう空間が必要なのか」という、根本的なソフトの面からワークショップなどを通じてご提案、トータルプロデュースさせていただくことが多くなっています。
(コマツ)まず自分たちの会社を良くし、変化したオフィス空間をさまざまな企業にお見せすることで、「こういう風に変わっていきましょうよ」と身をもって体現するからこそ受注ができるという形です。これはもうサンプロも真似させていただいているビジネスモデルです。会社見学会は、年間何回開催されていますか?
(河本さん)現在は3ヶ月に1回ほどのペースで「オープンカンパニー」という会社見学会を開催しております。前回開催では、20名以上の方が見学に来られました。ただ本社を見せるのではなくて、弊社のブランディングの事例をご紹介しながら、本社の中をご案内しています。
成功事例2.コンペで大手と肩を並べる本社工場の総合移転事業
(コマツ)やはり昔は大手には敵わない部分があったのかもしれませんが、現在ではコンペにしっかり呼ばれ、参加できる、SAWAMURAさんは大手と肩を並べるところへ来てきています。また、提案のクオリティーも大変高いそうです。
成功事例3.建築からロゴ・商品展開まで店舗をトータルプロデュース
(コマツ)そして、SAWAMURAさんには、広報企画と経営戦略を混ぜたような「ブランド推進室」というセクションが設置されています。今回お話しいただいている河本さんはブランド推進室の課長であり、このセクションにはデザイナー・マーケターなど優秀なスタッフがたくさんいらっしゃいます。さまざまなスキルを持つスタッフが協力しながら「トータルプロデュース」という形で受注をとっていく体制ができているそうです。
リブランディングにより業績と組織が飛躍的に成長
ここで、SAWAMURAの業績推移について、興味深いデータも見せていただきました。同社は2018年にリブランディングプロジェクトを立ち上げ、翌2019年に新ブランドを発表。リブランディング以前は、同社の売上高は約30億円で長期にわたり横ばい状態が続いていました。社員数も微増はあったものの、大きな変動は見られませんでした。
ところが、新ブランド発表後の変化は、目覚ましいものがあります。売上高は年々着実に成長を続け、それに伴い社員数も増加傾向に。理想的な成長曲線を描いており、リブランディングの成功を如実に物語っています。
(河本さん)リブランディングの効果は、採用の現場で如実に感じられました。以前の「合同説明会」では学生を必死で呼び込み、やっとの思いで数名座ってもらえるような状況でした。ところが今は、時間によっては立ち見の学生も出るほど人気のブースに。採用イベントから選考に進んでくれる学生さんの割合も上がっています。メンター制度や委員会制度などを導入したことで、離職率が非常に低くなったのも大きな成果です。
リブランディングで外観から企業文化まで一新
SAWAMURAでは、リブランディングと同時に本社の建て直しも実施。以前の「総合建設(株)澤村」という表示や制服着用の慣行から、現代的でスタイリッシュな職場環境へと大きく変貌を遂げました。
(コマツ)最近、SAWAMURAさんへ行くと、本当に社員の方々がお洒落で驚きます。リブランディングしてまだ5、6年ですが、そういう文化が根付いたという実感はありますか。
(河本さん)着るものだけでなく、社員の交わす言葉や意識もかなり変わってきているのを感じます。また、看板など目に見えるものが変わったことで、地域の方々から「何があったの?」「最近すごくよく見るし、頑張っているね」と嬉しい声をいただくことが増えました
数値で見るSAWAMURAのリブランディング効果
リブランディングにあたっては、生活者からの評価や社員の会社評価を、毎年調査しています。生活者からの評価において、活力・革新的・将来性ともに高い評価。社員の会社に対するイメージも、非常に高いスコアが出ています。年々上昇する数値は、社内施策の成功を示唆しているといえるでしょう。
(河本さん)LOCASさんのご協力により、これまで測定が困難だった社員一人ひとりの意識変化を数字で捉えられるようになりました。当初は外見的な変化の意味を疑問視する声もありましたが、生活者からの反応やお客様からのオーダーの変化を実際に体感することで、社員の意識も徐々に変化してきています。
SAWAMURAのブランディング戦略と地域貢献
さまざまなブランディング戦略に挑戦された中で、注目したいのが入社式と社内表彰式「SAWAMURA AWARD2024」を兼ねたイベントです。開催地として選ばれたのは、京都で400年以上の伝統を持つ、日本最古の劇場「南座」。この施設を社内イベントの会場として利用したのは、SAWAMURAが初となりました。
(河本さん)当初はブランド推進室の「社格を上げる」というミッションの一環として、革新的かつ創造性のある取り組みを模索していました。単なる広告や看板ではなく、企業自体が場所に出向いて何ができるかを考える中で、南座での開催というアイデアが生まれました。当初は実現不可能かと思われていましたが、当社の目標や建設業界全体の思いを込めた熱意あるプレゼンテーションの結果、実現が決まりました。3月開催予定でしたが、夏頃から相談していたので、トータル7カ月ぐらいのプロジェクトだったと思います。
(コマツ)さて、ブランディング施策について、澤村さんは様々なことに取り組んできました。今年の入社式、そして社員の表彰イベントでは、すごい取り組み事例がございますので、こちらを紹介させていただきます。
(コマツ)イベントでは、大型スクリーンを使ったVR書道家によるパフォーマンスでオープニングを飾り、和モダンな着物に身を包んだ澤村社長が経営方針を発表するなど、伝統と最新技術を融合させた演出が行われました。社内表彰式を積極的に行うことで、社員の意識向上にも大きな効果があり、参加者からの反響も非常に良好だったそうです。
(河本さん)私たちは、単に営業成績や現場の規模だけでなく、普段陰ながら会社を支えている人々にもスポットライトを当てたいと考えました。そこで5年前から「SAWAMURA AWARD」という社内表彰を毎年開催しています。毎回表彰式の内容をブラッシュアップしてきましたが、今回の南座での開催は、参加者全員に最も意義が伝わったのではないかと思います。
開催後のアンケート結果を見ても、これまでにない好反響がありました。上司のコメントに感極まって涙する場面もあり、従来の会場では出せなかった特別な雰囲気が生まれました。これは南座という場所がもつ力も大きかったのではないでしょうか。
(コマツ)南座をお借りするというユニークな取り組みは、メディアからの注目も集めましたね。Yahoo!ニュースにも取り上げられたということで、共同通信社が来たのが大きかったと思っております。
「共創」をテーマに社内外と連携
SAWAMURAは「共創」を重要なテーマの一つとして掲げています。この概念は単なる社内協力にとどまらず、外部パートナーや地域社会との協働にまで及ぶ広範な取り組みを指しているそうです。「共創」の概念は、部門を超えた社内協力から始まり、取引先企業、南座をはじめとする新たな協力者、地域社会、行政との連携にまで発展し、社会をより良くしていくための価値を共に創っています。
(コマツ)SAWAMURAさんは社内で社員一人ひとりが自分達で会社をつくっていくための「ワークショップ」もとても多い会社ですよね。この「共創」というテーマを取り上げた理由があれば、教えてください。
(河本さん)元々、部門を超えた協力で、期待以上の成果を出すという企業文化がありました。それを外部にも広げ、お客様への期待以上の提案や、自社だけでは踏み込めなかった新しいチャレンジへと繋げています。企業としてできることが、大きく増えていると実感しているので、そこは大事にしていきたいです。
アートと住まいが融合した「THE ART HOUSE」
共創の理念を具現化する「共創プロジェクト」として、立ち上げたのが「THE ART HOUSE」。住宅とアートの融合を通じて、暮らしの新たな価値を提案する革新的な取り組みです。
2024年5月9日にグランドオープンしたのが、本社近くに建設された大規模なモデルハウス。日本テレビの「THE ART HOUSE」というテレビ番組とのコラボデーションで、番組で取り上げられた現代アーティストの作品を生活空間に取り入れています。このプロジェクトは、大手ハウスメーカーとの差別化を図る戦略的な意図も含んでいます。
(コマツ)アートで彩りを加え、「暮らしという無限の価値への挑戦」をする、という価値を生活者に発信できます。「きっかけを創造する」というブランドミッションにアートというきっかけをインストールすることで、かなりラグジュアリーな空間ができましたね。
(河本さん)ハウスメーカーや他の工務店にはない、こだわりや技術力を体現しました。このフラッグシップモデル「THE ART HOUSE」でしか味わえない体感を、お客様に持ち帰っていただきたいと思っています。
(コマツ)これだけの方々のインパクトの強いアートがあるのにも関わらず、建物が負けてしまうことがなく、しっかり生活空間に溶け込んでいるところがエレガントだと感じました。コーディネーターの光の調整も上手く、換気や空間の環境を含め整えられているというところも一つのキーポイントだと思います。
地域の共創スペース「Rin」
もう一つの取り組みが、リフォームのショールーム兼共創スペース「Rin」です。本社隣接のかつて自転車店だった空き家をリノベーションし、コーヒースタンド・イベントスペース・コワーキングスペース・図書館機能を備えた多目的施設として生まれ変わらせました。「Rin」という名称は、自転車の車輪の輪(りん)と、人と人との輪(わ)を表現し、地域のコミュニティ形成を目指しています。
(コマツ)完全に社内からのプロジェクトでこういった革新的な施設が生まれ、事業に活用されているのは本当に驚きですね。くつろげるカフェ、書籍スペース、貸し出し可能な打ち合わせスペース、さらにはおしゃれなリフォームのサンプル展示まであって、すごい多機能性です。このような先進的な建物やモデルハウスが、SAWAMURAの住生活事業やオフィスという特殊建築、さらには建設業全体の可能性を具体的に示していて、とても説得力があります。特に採用面では大きな効果がありそうで、会社説明会に来た優秀な求職者が「ここで働きたい」「地域創生に貢献できる」と確信するのではないでしょうか。御社で働く新卒社員の方々は、地方創生への強い意欲、心の中でメラメラと燃える情熱を持っているように感じます。
(河本さん)新卒だけでなく、キャリアの方でも地方創生に関心を持って入社してくださる方がいます。特にまちづくりのインターンシップは学生からの反響が非常に良く、優秀な学生の方々が多く参加しています。
大溝まちづくりマルシェ
SAWAMURAは、本社がある大溝エリア(近江高島駅から徒歩7分)で、地域活性化に積極的に取り組んでいます。かつて城下町だったこの地域で、毎年マルシェを開催。当初は、自社敷地内で1000名近い集客を実現していました。
そこから、より広範な経済効果を目指し、地域住民主催の「大溝まちづくりマルシェ」へと発展させることに。さらに、JR西日本様の湖西線50周年企画との連携や、近畿大学の宮部先生との空き家問題解決プロジェクトなど、多角的な地域貢献活動を展開しています。
(河本さん)現時点ではまだ構想段階ですが、将来的には点ではなく面で、地域に根ざした活動として広がりを持たせたいと考えています。JR西日本様との連携により、公共性という付加価値も得られました。最終的なゴールに向けて、数年かけて実現していきたいと思っています。
[住宅性能]
後半部分では、SAWAMURA建築設計のエース営業である河田さんより、住宅性能についてお話をお聞きします。
未来基準の住まいを体現する「敦賀コンセプトハウス」
2050 STANDARD HOUSE PROJECTの中核テーマ「住宅の性能」を未来基準へと昇華させる取り組みを続けるSAWAMURA。2023年6月にはオフィスである敦賀スタジオとは別に、新しいモデルハウス「敦賀コンセプトハウス」も誕生しました。
コンセプトは、「コーディネーターが彩る上質な暮らし」。同社の強みであるデザイン力を訴求し、パッシブデザインや高性能を見事に融合させた住宅となっています。
(河田さん)北欧と日本を掛け合わせたジャパンディ・スタイルを採用し、過度に個性的にならないよう配慮しました。日本人の美意識に根差した和のテイストを適度に取り入れながら、現代的なデザインを融合させています。お客様からデザインに関して高い評価をいただけているのは、このバランスの良さが理由ではないでしょうか。
(コマツ)SAWAMURAさんのトップコーディネーター、岡田さんの手腕には感銘を受けました。私も実際に訪問させていただきましたが、そのコーディネート力には目を見張るものがありますね。特に印象的だったのは、寝室に差し込む光の演出です。照明も一つひとつが丁寧に選び抜かれている様子が感じられました。
新幹線開通による発展と独自のマーケット
2024年3月末の新幹線開通により、敦賀は東京と直結し、注目を集めるエリアへと変貌を遂げています。駅周辺の再開発と相まって、商店街にも新たな活気が生まれているそうです。
(河田さん)建設業界ではまだ大きな変化を実感するには至っていませんが、お客様や地域の方々からは、駅周辺の刷新を含めた地域の活性化を実感する声が多く聞かれます。確実に盛り上がりを見せている地域だと感じています。
(コマツ)敦賀というと、近くに原子力発電所もあり、電力関連企業に勤める方々が多く居住していると伺いました。
(河田さん)電力会社にお勤めの方々は、私たちの主要顧客層です。まさに電力を扱うお仕事ですので、エネルギー効率を重視し、住宅性能に関する優先順位も高くなっておられます。そのため、敦賀コンセプトハウスの設計でも、特に性能面には力を入れています。
敦賀コンセプトハウスは、2050 STANDARD HOUSE PROJECTの理念を体現する高性能住宅の先駆けとなっています。その特徴は以下の通りです。
<敦賀コンセプトハウスの特徴>
高気密:C値0.15を達成し、業界最高水準の気密性を実現。通常の住宅でもC値0.5以下を目標としている。
高断熱:HEAT20 G2グレード、断熱等級6を採用し、極めて高い断熱性能を実現している。
パッシブデザイン:地域の気候特性(積雪地域)を考慮し、太陽光を効果的に取り入れる素直な設計を。
全館空調:床下エアコンを導入し、高い気密性と相まって効率的な温度管理を可能に。
(コマツ)C値0.5以下であれば十分な気密性を持つ住宅と言えますが、1を上回ると換気システムの効果も失われてしまいます。その点、C値0.15と数値は驚異的で、御社の技術力を証明しています。HEAT20 G2グレードの断熱等級6、さらにパッシブデザインも取り入れているとのことですね。
(河田さん)高島も敦賀も積雪地域ということで暖かさへのニーズが非常に高く、太陽に対して素直な設計を心がけています。さらに、新しいチャレンジとして導入したのが全館空調です。床下エアコン1台で家全体を暖められる点に、多くのお客様が魅力を感じてくださっています。今回のモデルハウスは気密性が非常に高いため、全館空調のメリットを最大限に活かせたと思っています。
SAWAMURAの敦賀エリア戦略
オフィス兼ショールームの敦賀スタジオとこのモデルハウスは徒歩10分圏内。モデルハウス開設以前は完成見学会と相談会の2つが集客のメインでしたが、今ではモデルハウスが全集客の約半数を占める重要な拠点となっているそうです。
また、この地域では、ある工務店との競合が顕著で、顧客の約半数が両社を比較検討されているとのこと。SNSを含む積極的な広告展開により競合他社の存在感が増す中で、SAWAMURAは独自の強みを活かした戦略で対抗し、成功を収めています。
特筆すべきは、河田さんの100%という驚異的な受注率。SAWAMURAの競合優位性は、次の3点に集約されます。
1.デザインと性能の高次元での両立
2.性能、デザイン、構造を包括した総合的なアプローチ
3.専門家との協働による、家づくりプロセスそのものの価値提供
(河田さん)某工務店の商品力・性能・コストパフォーマンスは確かに強みですが、我々は単なる販売会社ではありません。性能だけでなく、デザインと構造を含めた総合的な価値提供で当社を選んでいただいているのだと思います。また、敦賀はまだネームバリューを確立する途上ですが、だからこそ既存顧客の声を活用し、家づくりの過程や住み心地を語っていただくことで差別化を図っています。これは従来の見学会をさらに発展させた形です。
2030年に向けた高性能住宅への想い
現在のモデルハウスの高い性能(C値、UA値、デザイン性)は、同社の技術力と未来への準備を示すものですが、全ての住宅がこの水準にあるわけではありません。しかし、2030年に省エネ基準の大幅な引き上げが予想される中、SAWAMURAは先を見据えた戦略を立てています。
(河田さん)2030年には断熱等級5がスタンダードになり、さらに断熱等級6も近い将来のスタンダードになってくる見込みです。現在のHEAT20 G2グレードは高水準ですが、我々はG3に近づけるような仕組み作りを目指しています。具体的には、G2とG3の間のレベルを達成できる体制づくりを、会社全体としても、私個人としても目標としています。